理事長所信

「お前がこの地を去る時は、みんなに見送られてこの世を去る時か、もしくはお前が馬鹿をして、会社を失い、人の目を避けるようにしてこの街を去る時だ。お前はこのまちと運命を共にしているのだぞ。」

この言葉は2014年の日本青年会議所の全国大会卒業式で卒業生代表スピーチの中で使われた言葉です。この言葉は地域と運命を共にしている我々中小企業人の想いを表しています。日本人は古来より「情けは人の為ならず」「世のため、人のためは自分のため」という言葉があるとおり、地域の中小企業が中心となり公益的奉仕という投資を行い、自分たちの直接的利益を越えて地域の発展に貢献してきました。しかし、急速な景気後退、円高、デフレ等による売上の減少という短期的な課題に加えて、国内需要の減少、グローバル化の進展による競争の激化等の様々な構造的課題により大企業による吸収合併や事業承継ができずに廃業等の理由により、日本を支えてきた中小企業が減少しています。そしてそのことに比例するかのように経営の合理化の元、地域の将来に目をそむける企業も増えてきました。もちろん企業として利益を追求することは間違いではありません。しかしこの地域の経営資源である「ヒト・カネ・モノ」を使っている企業人はこの地域に生かされています。そしてこの地域に対しての責任があります。我々は浜田と運命を共にしているのです。

 

【営業的手法を取り入れた会員拡大】

浜田青年会議所は昨年8名の卒業生を送り出し、近年にない少人数でのスタートとなります。会員拡大は過去継続して取り組んで参りましたが、会員数は伸び悩んでいます。会員拡大の手法は企業の営業活動と同じだと考えております。浜田青年会議所の目的、会員の資質、過去取り組んできた活動、そして今年度の事業が我々の商品のアピールポイントであり、それを購入(入会)してもらうには何が必要かを考えなくてなりません。最初に浜田青年会議所を知ってもらうためのパンフレットを作成し、「拡大は地域の為なり」という気持ちでメンバーが自分の所属企業での営業活動を元にアイデアを出しながら会員活動に努めます。

 

【新入会員定着への取組み】

日本全国の青年会議所でも問題となっているのが入会三年未満の会員の退会率です。今年度は新入会員定着のために「メンター制度」に取り組みます。この制度は現役メンバー一人をメンター(相談役)として新入会員一人を担当し新入会員の浜田青年会議所での悩みの相談などに対応し、新入会員の孤立を無くし、退会を防ぐことを目的としています。従来からのスポンサー制度とこの制度によって新入会員の退会を防ぐと共にメンターとなった会員の成長も期待できると確信します。

 

【地域と医療を結ぶ取組み】

地方の医師不足が問題となっている中、浜田には浜田医療センターという総合病院が浜田地域の医療の中心を担っています。しかし浜田医療センターも医師不足問題の例外ではありません。これからは医療に対しても我々市民は医療サービスを受ける側だけでなく医療を支えることがもっと重要になってきます。

そういった状況の中、市民と浜田医療センターを繋ぐイベントが「浜田駅北医療フェスタ」です。現在は地域の商店・企業・住民が中心となり実行委員会を立ち上げ企画・運営をしていますが、地域の再開発、地域住民の高齢化により存続が厳しくなっています。このイベントが無くなることは地域にとって医療センターとの繋がりを失うことを意味しており、コミュニケーション不足による、浜田市民との壁ができ、お互いの相互不理解により、不信感や不和などが起こり、その先には医師不足に拍車がかかるという負の連鎖を生む可能性もあります。この浜田駅北医療フェスタを存続するために地域の医療存続の一助になるため、今年度から浜田青年会議所も実行委員会に参画します。

 

【高校生政策甲子園の開催】

2017年から始めた「高校生政策甲子園」は浜田の将来を担う高校生に市政を考えるきっかけにする事業として浜田市内の高校3校をはじめ行政、その他関係各所のご協力を得ながら過去2回開催しています。当初の目的である高校生が市政を考えるきっかけの場を提供することができた事と浜田青年会議所が高等学校教育に接することが出来た大変有意義な事業でした。過去の経験をもとに今年もより良い高校生政策甲子園を開催します。

 

【確実な組織運営】

浜田青年会議所は様々な職業、考え、年齢の人間が集う組織であります。このような多様な人間の集合体が61年も存続してきたのは青年会議所の理念はもちろん、浜田青年会議所の定款・規約を順守して先輩諸兄が組織を運営してこられたことが大きいと思っております。今年も定款・規約の順守はもちろんのこと、定款・規約の一条一条の意味を深く理解したうえで時代にあった規約の変更も行っていきたいとおもいます。そして組織運営の要である専務理事を今年度は担当委員会・室を無くし、会の運営に専念させ、専務理事と総務広報委員会を中心に運営してまいります。

 

【迅速で正確な活動情報を発信】

我々の活動情報を発信することの目的は我々の活動を地域の皆様に知ってもらうこと、そして我々の活動に共感してもらい新しい仲間を獲得することです。そのためには事業の質を高めることはもちろん、その事業の内容を簡単に分かり易く、迅速に発信することが大切です。Facebookはもちろん地域のメディアへ情報提供など、様々な形で発信してまいります。

 

結びに

私は青年会議所活動を「地域を明るく照らすための運動を通じて地域と自分の会社に対する責任感を培う人生最後の部活動」と考えています。そしてこの「部活動」は会員にとって成長のきっかけを与える場でなくてはなりません。会員が成長を実感し、その成長を地域に還元することこそ、本当の目的です。この活動は苦しくて、つらいことが沢山あると思います。しかしこの活動をやり抜いた先には必ず未来はあります。