新中期ビジョン2027

1.はじめに

■中期ビジョンとは
 青年会議所は、綱領に示されているように「明るい豊かな社会の実現」を基本理念としています。この「明るい豊かな社会」という言葉はそのものが具体性を持っているのではなく、その具体的なあるべき姿は、時代や社会情勢に応じて常に変化をしていくものとされています。
 「中期ビジョン」は、時代やまちの現状に応じた、具体的なあるべき姿を示すものとなります。したがって、時代に応じて常に更新を行っていく必要があり、5年ごとに策定する必要があります。しかし、この変化の目まぐるしい時代においては、5年という期間にとらわれることなく、随時、見直しを検討していくことも推奨をされています。

■中期ビジョンと年度指針(理事長所信)の関係性、中期ビジョンの機能
 「年度指針」とは、中期ビジョンに基づき、具体的な当該年度の運動指針として示されるもので、理事長所信がこれに該当します。そして年度指針に示された概要から打ち出された組織や役割をもとに、委員会や推進室の役割ごとの運動方針である「基本方針」が定められ、この方針に基づいて具体的な運動が展開されていきます。
 青年会議所の組織は一年ごとに役職が変わる単年度制を採用しており、各年度に行われる運動が単発的で継続性に欠ける事となりかねません。しかし、掲げるビジョンのもとに運動を構築していくことで、連続性を持った運動展開が可能となっていきます。

2.中期ビジョン策定までの流れについて

 中期ビジョン2022の検証
※歴代理事長(2018~2022)・メンバー向けアンケートの実施
step1
 
 新中期ビジョンのフレームを決定
※スローガン「Realize(リアライズ)」の選定
step2
 
 3つの重点項目の決定
※「まち」・「組織」・「Jaycee」の選定
step3
 
 メンバー向けアンケートの実施
※3つの重点項目に対する意見の取集
step4
 
 各重点項目に対する具体的目標の決定
step5
 
 新中期ビジョン2027の策定
step6
 

3.中期ビジョン2027「Realize」

中期ビジョン2027
Realize

【3つの重点項目】
これからの5年間で実現していく未来

まち幸せの連鎖が溢れるまちの実現
■協働によるOne team浜田づくり
■意識醸成による一人ひとりが主体となるまちづくり
■地域資源を活用した新たな価値を生み出すまちづくり
組織幸せの起点となる組織の実現
■まちのために動く組織への進化
■ムーブメントを起こす組織への進化
■まちに最も必要とされる組織への進化
Jaycee人々を幸せにできるJayceeの実現
■家族を幸せにするJaycee育成
■だれよりもまちの事を考えているJaycee育成
■時代に即したリーダーとなるJaycee育成

■中期ビジョン2027「Realize」とは

 浜田青年会議所の中期ビジョンは、青年会議所活動が単年度制のなかでも、今後5年間の方針を一人ひとりが共有することで、メンバーが考える実現する未来に向けて策定するものです。
 スローガンである「Realize(リアライズ)」とは「現実化する」・「実現する」という意味になります。掲げるビジョンは単なる理想像ではなく、実際に実現していくからこそ意味があります。
 まずは、私たち「Jaycee」が愛する大切な人々から幸せにし、浜田青年会議所が幸せの起点になる「組織」になることで、幸せの連鎖が溢れる「まち」を実現するために「中期ビジョン2027」を策定致しました。

4.策定アンケート【まち】実施から重点項目設定まで

■設問内容
・まち(浜田市)にはどんな課題があると思いますか。(課題の抽出)
・課題を解決するにあたり上位目標は何だと思いますか。(課題の深堀)
・上位目標を解決するためには何が必要ですか。(課題の解決策)
・上位目標を解決することでまちはどのようになりますか。なりたいですか。(実現したいまち)

■キーワード
(課題の抽出)経済循環ができていない・人口減少・少子高齢化・若者の流出など
(課題の深堀)地方創生事業・所得の改善・意識の改革・魅力あるまちづくり、出生率の向上など
(課題の解決策)パートナーシップ、愛、市政への参画、制度の見直し、経済循環、子育て支援など

■全体の傾向 (実現したいまち)
・活気に関する意見・・・45%
(活気が溢れるまち・豊かなまち・郷土愛など)
・人口増加に関する意見・・・40%
(経済的豊かさ・住みたくなるまち・子育てしやすい環境など)
・その他・・・15%
(経済循環・ワンチームのまち・持続可能で豊かなまちなど)

■重点項目【まち】へのプロセスイメージ
人々が愛で繋がり、モノの豊さと心の豊さを実感でき、持続可能で好循環な社会

パートナーシップによる産業界、官公庁、学校、民間など多様な主体との連携強化
だれもが主権者としての自覚を養い社会に参画していく意識醸成
多様な要素を資源として再活用することで生まれる経済循環の構築

幸せの連鎖が溢れるまちの実現

■具体的目標について
・協働によるOne team浜田づくり
産業界、官公庁、学校、団体などと多様な主体と交流を持ち、連携を強化することで、まちの課題の解決のため多くの人々を巻き込み協働できる場を創っていきます。

・意識醸成による一人ひとりが主体となるまちづくり
市民がまちの主権者であるという自覚を持ち、年齢・性別・国籍・障がいの有無・価値観等に関係なく、多様性を寛容し認め合い、誰もが幸せなまちにしていきます。

・地域資源を活用した新たな価値を生み出すまちづくり
自然資源・産業・文化・風土・組織・コミュニティなど様々な地域資源を磨き上げ、繋ぎ合わせることで新たな魅力、新たな価地を生み出し、まちを活性化していきます。

5.策定アンケート【組織】実施から重点項目設定まで

■設問内容
・現在のJCI浜田にはどんな課題があると思いますか。(課題の抽出)
・課題を解決するにあたり上位目標は何だと思いますか。(課題の深堀)
・上位目標を解決するためには何が必要ですか。(課題の解決策)
・上位目標を解決することで組織はどのようになりますか。なりたいですか。(実現したい組織)

■キーワード
(課題の抽出)会員不足、社会開発運動ができていない、行政との連携不足、事業の単発化など
(課題の深堀)組織力の向上、組織改革、指針の設定、会員の危機感、組織の存在意義など
(課題の解決策)意識醸成、ビジョンの共有、利他精神、責任感など

■全体の傾向 (実現したい組織)
・社会開発運動に関する意見 ・・・ 55%
(まちのために動ける組織、運動を起こせる組織、まちづくりの事を考えている組織など)
・会員拡大に関する意見 ・・・ 35%
(会員増加による負担の軽減、女性の理解を得れる組織、団結力など)
・その他 ・・・ 10%
(浜田市の希望、まちから注目されることなど)

■重点項目【組織】へのプロセスイメージ
まちのために活動をし、人々の意識と行動を変えれる、まちに信頼され必要とされている組織

人々の理想の社会実現のために利他精神で活動をする組織
率先して行動することで社会に変革をもたらす組織
まちの希望であり、まちに不可欠な組織

幸せの起点となる組織の実現

■具体的目標について
・まちのために動く組織への進化
幸せの連鎖が溢れるまちの実現のために、無条件で奉仕する純粋な動機をもって青年会議所活動を行っていきます。

・ムーブメントを起こす組織への進化
一貫性を持って多様な主体と協働し、まちの仕組みを変え、人々の考えと行動に変化をもたらす運動を行っていきます。

・まちに最も必要とされる組織への進化
私たちの運動がまちをより良くする起点となり、人々からの共感を生み、地域から信頼され必要とされ続ける組織へとなっていきます。

6.策定アンケート【Jaycee】実施から重点項目設定まで

■設問内容
・運動を起こせる人財になるためにどんな自分になりたいですか。(課題の抽出)
・理想像を実現するために必要なスキルは何ですか。(課題の深堀)
・スキルを取得するためには何が必要ですか。(課題の解決策)
・スキルを取得した後、どんなJayceeになりますか。なりたいですか。(実現したいJaycee)

■キーワード
(課題の抽出)行動を起こせる自分、他の人を幸せにできる自分、まちのために尽くせる自分など
(課題の深堀)余裕のある心、相手を理解する力、リーダーシップなど
(課題の解決策)意識、経験、準備力、包容力、分析力、情報収集力

■全体の傾向 (実現したいJaycee)
・リーダーシップに関する意見 ・・・ 50%
(頼られるリーダー、まちづくりリーダー、人を巻き込めるリーダーなど)
・行動力に関する意見 ・・・ 30%
(知性も行動力もあるJaycee、行動主義Jayceeなど)
・その他 ・・・ 20%
(地域密着貢献型Jaycee、周囲より先を進むJayceeなど)

■重点項目【組織】へのプロセスイメージ
愛を前提とし、未来を見据え、知性と行動力を兼ね備えたリーダーの創出

人々を幸せにできる人財への成長
まちづくりを本気で考えている人財への育成
多様性を受け入れ時代に柔軟に対応したリーダーの育成

人々を幸せにできるJayceeの実現

■具体的目標について
・家族を幸せにするJaycee育成
人々を幸せにするためには、まずは身近な家族から幸せにすることが必要であり、青年会議所活動の中での機会を糧に自己成長をし、人々を幸せにできる人財へと一人ひとりが成長していきます。

・だれよりもまちの事を考えているJaycee育成
まちをより良くするためには、「本気でまちを変えたい」という圧倒的な熱量が必要であり、同世代の中でだれよりもまちの未来を考えている人財へと一人ひとりが成長していきます。

・時代に即したリーダーとなるJaycee育成
青年会議所活動の中で社会の大きな潮流を捉え、これまでの固定概念にとらわれず、変化する時代に淘汰されない人財へと一人ひとりが成長していきます。

7.おわりに

 この度、ビジョン推進室では「中期ビジョン2027の策定」を行わせて頂きました。
 限られた時間の中で、万全であったとは言えませんが、一つひとつの意見を真摯に受け止め、考え抜き、一つの形にできたのはビジョン推進室メンバーを始めとする、浜田青年会議所メンバー皆さんの多大なる協力のおかげです。心より感謝を申し上げます。
 ビジョンを策定する過程の中で常に意識していた事は、「実現可能なビジョンを描く」という事です。ビジョンは掲げるだけでは意味はありません。ビジョンを描くとは未来を描くことと私たちは考えます。ビジョンを描き、理事長所信が作成され、地域の課題や目指すべき目標に向かって一貫性のある運動が各年度によって展開されていく。これこそが「明るく豊かな社会の実現」の一歩です。

 最後となりますが、

 これが私たちが実現したい未来です。

 多様な組織がパートナーシップの基で協働し、一人ひとりがまちづくりの主体となり、地域資源を活用した新たな価値が生まれ、幸せの連鎖によるまちづくりが行われています。
 まちのために行動を起こす市民が増え、夢や希望をもって地域経済を支え、地域課題の解決に取り組み、まちは当事者意識と主体性を持った市民の力でより良くなっていきます。
 多様性への理解が浸透し、まちで暮らすだれもが互いに支え合い、物心共に豊かであり、生き生きと暮らしています。
 私たちは多くの仲間とともに、だれよりもまちの事を考えリーダーとして自己研鑽と切磋琢磨を繰り返し、自らを成長させ愛する人を幸せにしています。
 私たちの運動は人々の共感を生み、多くの共感者を集め、浜田青年会議所はまちで最も必要とされ、市民の意識と行動に変化をもたらし、より良いまちになるために今日も活動を行っています。