理事長所信

【はじめに】

 誰しもが人生において大きな転機があります。私にとって転機は青年会議所へ入会した事でした。県外から移住当初の私は周りの変化に対応できず、毎日が困難と試行錯誤の連続でした。そんな私が浜田青年会議所に入会し委員長の役職を務めさせていただいた際、わからないなりに全力で取り組む中、会員の仲間や多くの先輩諸氏が他県から来た見知らぬ私に対して温かくご協力・ご支援くださいました。多くのことで悩み、苦しんだからこそ周りの皆様への感謝の気持ちと地域への愛着が生まれ、私自身が成長することができました。暗闇を歩いていた私は多くの仲間と頼れる先輩諸氏の皆様の導きによって気づけば暗闇は青空へ変わっていました。私は青年会議所を通じて未来は自身の選択と行動で変えられることを知りました。

現在この浜田市(まち)には人口減少を始め多くの問題や課題があり、先行きの見えない未来に不安を感じる方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、幾ら現状や推測された未来を悲観し、嘆いても何も変わりません。私自身が選択し行動することで未来を変えられたように、自分自身でしか変えることはできないのです。地域は一人の力では変えることはできませんが、一人一人が選択し行動していくことで周囲の人々に波及し、伝播し、やがて地域を変え未来を変えることもできると信じております。

私たち浜田青年会議所はこの浜田市(まち)の未来を創る責任と、その未来には新たな若い世代の未来が続いています。未来は確定されたものではありません。私はこの困難を乗り越えた先にこそ明るい未来はあるものと信じ、本年度は雲外蒼天の志で邁進してまいります。共に未来を『今』から変えていきましょう。

【地域を繋げる先駆者へ】

 私達の浜田市(まち)は少子高齢化を背景に2021年の5万人から2045年には4万人を割り込む試算もでています。急速な人口減少は地域の過疎化を始めとして、地場産業の衰退から私たち身近な生活に至るまで大きな影響を及ぼします。そして浜田青年会議所の掲げる明るい豊かな社会の実現においてこれ以上の課題は無いでしょう。人口の自然減少は変えられませんが、高校生や大学生といった若い人材の流出を防ぐことは、課題解決はもとより地域づくりの担い手として浜田市(まち)の未来に必要不可欠です。しかし現状では島根県立大学浜田キャンパスにおける大学生の県内就職率は低く、市内の高校生においても浜田市で就職・居住したいと考えている割合は近年減少傾向であります。こうした背景には、この地域での就職や生活に対して魅力を感じていない、または感じる機会が乏しいことが要因にあると私は考えています。「浜田市に残りたい」「浜田市へ帰ってきたい」と思ってもらうためには地域の魅力を知り実際に感じてもらうこと、そして地域と高校生や大学生が互いに関わり繋がることが重要だと考えます。2021年3月には一般社団法人浜田青年会議所と公立大学法人島根県立大学は地域包括連携協定を結びました。これをきっかけとして大学生と企業のコミュニティという新たな試みを実施し、県内外から来られている大学生に対して地域の魅力の一つを発信できたと感じています。しかし、「浜田市(まち)に残りたい」「浜田市(まち)へ帰ってきたい」と思ってもらうためには、地域と関わり魅力を感じられる機会を市政や他団体を含めたさらに大きな視野で繋がり、効果的な事業構築・運動として実施していくことが重要だと考えます。

また、この人口減少問題に対しては青年会議所としてだけでなく地域全体として取り組んでいくことが必要です。浜田市には行政や様々な団体があり、それぞれの理念や目的は違いますが、浜田市(まち)の未来の為に活動されている多くの方々がいます。しかし、互いの活動を共有するような機会はあまり無いのが現状です。人口減少問題や各々が行っている運動や活動について情報共有し、様々な視点から課題解決に取り組み、時には協力して事業が行えるような関係性作りが今必要なのではないでしょうか。私達、青年会議所はただひたすらに浜田市(まち)のことを考え、その未来のために邁進する団体です。そんな私達だからこそ、この地に根差す様々なステークホルダーと連携し、青年会議所が他と他を繋ぐハブとして機能することで課題解決へ導けるものと考えます。大都市と比べ劣っているものは数多くありますが、小さな地域だからこそ、そこに根差す私達の繋がりは絶対に負けていません。

本年度は高校生や大学生等の若い人材が地域の魅力を感じられる事業の実施、そして課題解決に向けた行政や他団体との連携強化を推進してまいります。今こそ地域そして人の繋がりをより強固にし、魅力ある浜田市(まち)の未来を創造しましょう。

【会員の成長と継続的な会員拡大】

 現在浜田青年会議所の会員数は20名に満たず、近年は減少傾向となっています。私たちのJC運動をより幅広く地域へ波及していくためには、同じ志を持って活動してくれる仲間はなくてはならない存在です。そして地域での発言力や事業規模において集団における「数」は力でもあります。青年会議所の制度における40歳定年制や単年度制は組織内の新陳代謝に優れており新しい人材と共生し、多様性を育むには効果的な制度です。加えて多様性が生まれることは、より洗練された新たな事業構築や組織改革にもつながります。しかし単年度制であるがゆえの問題点もあります。それは拡大実務が担当委員会に大きく依存している点です。青年会議所は単年度制ではありますが、本年度以降を見据えて組織の弱体化や事業規模の縮小をさせずに持続可能な組織であるために継続的な拡大活動は行っていかなければなりません。そのためには拡大を担当委員会だけに任せるのではなく、単年度制で組織が変容しても「会員拡大を全員で行える」ことが重要となります。これは一人ひとりが責任を持ち、能動的に取り組まなければならないことは勿論ですが、全員で拡大活動を行うためには青年会議所の目的や入会後のメリット、楽しさなどを対象者へ説明が出来なければならないということです。つまり一人ひとりのJAYCEEとしての成長が必要不可欠だということに他なりません。新たな出会いは自分自身にも価値観の変容や多くの自己成長を促します。その機会をより多く皆様に提供できるよう共に取り組んでいきましょう。

本年度は、青年会議所についてともに学び能動的に行動する人材になるべく会員の意識改革と自己成長を第一に考え、地域に必要とされる組織、そして持続可能な組織への基盤の実現に向けて邁進してまいります。

【挑戦する組織改革】

 2020年に発生した新型コロナウィルスにより、私たちの生活は様変わりしました。何気なく会えていた人とは会えなくなり、どこで感染するかもわからない状況に人々は不安を抱えています。それは青年会議所においても例外ではなく、会議等の運営方法や事業の企画・実施に至るまで強制的な変化を余儀なくされました。WEBを利用した活動もその一つです。実際に行ってみるとオンラインのメリットを十分に感じた一方で、デメリットも大きかったのではないでしょうか。ただ一つ確かなことは、新しい試みは組織運営に新たな可能性を見出し、今後もその改善策を模索し挑戦していかなければならないということです。勇気と覚悟を持って挑戦することで新たな組織運営に向けて進むことができたのです。振り返れば新型コロナウィルスという驚異により環境は急激な変化を遂げましたが、実際には時代の流れと同様に人の価値観や環境は少しずつですが常に変化し続けています。組織を見つめ直したとき私たちは時代や人、環境に合わせて組織として適応できていたのでしょうか。今一度、既存の組織や運営方法を見つめ直し、過去の様々な手法のメリットデメリットを検討する必要があります。必要ならば勇気をもって変えていきましょう。そしてこの挑戦は、決して自分たちの為だけではなく、私たちを支えてくれる身近な人たちの為でもなければならないと私は考えます。

未来を描き、『今』の時代に即した組織運営を進める事が、私たち青年会議所の存在価値を高めることにつながるものと信じています。

【新たな中期ビジョンの作成】

 2017年に作成された「中期ビジョン2022」、希望にあふれ誇りある浜田「活気にあふれ魅力ある地方都市」の実現に向けた八右衛門s運動の推進を大きな目標として、この5年間事業運動を実施してきました。最終年度である本年度は中期ビジョンにおける伝統文化を尊重しつつ活気と創造性に満ちたまちづくりの推進、自分の生まれ育ったまちを誇りに思うひとづくりの推進、継続可能な組織づくりの推進という三つの柱について、これまでの結果を検証するとともに浜田市(まち)の未来を見据えて創立65周年以降の方向性を「中期ビジョン2027」で構築・推進してまいります。

【共に成長する友好JC】

 (一社)三原青年会議所とは友好JCとして1982年以来交流を続け、本年度は友好JC締結40周年を迎えます。しかし新型コロナウィルスの蔓延により、過去2年間は交流を行えておらず入会年数が浅い会員も多い為、現在の交流は乏しい状態です。そのため、まずはお互い交流を深め関係性を再構築することが必要ではないでしょうか。友好JCは単にLOM間だけでなく、会員間の関係性を深めることで互いの情報交換や考え方を知る機会になります。この貴重な機会は個人の成長と互いの絆を育み、それぞれのLOMの発展や関係性をより強固にできるものと考えます。 

本年度はLOMだけでなく個人の繋がりを深め、共に成長することで先輩諸氏が築き上げてきた絆をさらに強固なものとなるよう取り組んでまいります。

【終わりに】

 来年度、浜田青年会議所は創立65周年を迎えます。65年の長きにわたりこの地に青年会議所が有り続けられたのは、偏に先輩諸氏の皆様が熱き志を継承し、時代に合わせた挑戦を続けていただいた結果です。本年度はこの歴史ある浜田青年会議所第65代理事長として熱き志を継承し、この地域のために「今」すべきことへ失敗を恐れず挑戦してまいります。

最後となりましたが、引き続き皆様の多大なるご支援ご指導を賜りますことを心よりお願い申し上げます。